SSブログ

ストーリーズ3

ストーリーズ2が満杯との事でまた新規作成です。

魔女
“もっとも残酷なすべだ。われとてこのすべ伝えるは忍びがたき”

“おぉ、神よ。何ゆえ(わたくし)はこのようなむごたらしい夢を見続けなければならないのでしょうか?(わたくし)はどのような罪を犯したのでしょうか?おぉ、神よ。神よ 
「われの姿を見てはならぬ。見ればわれはうぬの“生命(いのち)”を絶つであろう」「われは“殺す”ことはできぬ。されど“生命”を絶つ事はできる」「我にできるは“殺す”にあらず“生命”を絶つのみ」「うぬが言葉、我満たしたなり」
魔女  

プロローグ 王子 王子の后

「お願いです。助けてください」(わたくし)どもの国を守ってください」王子と王子の后は言った。「我の姿見ることゆるさじ。振り返ることなかれ」“荒地の魔女”の言葉だった。ほっとした王子と后は歩き出した。しかしそのとき一陣の風が起こり、風をよけた二人は後ろを向いてしまった。そして…“荒地の魔女”の本当の姿を見てしまった。「見てはならぬと申したのになぜ見た!!」みっ見ていません。何も見えなかった…」「ゆえにうぬらは見たなり!我の真の姿はなかりけり!!」「そっそんな…」「我の真の姿を見た者はその生命(いのち)絶つのみ」「ギャー」王子は死んだ。后は真っ青になった。「哀れとは思うが定めなり。我にも変えるすべなかりけり」「なにか言うことはあるか。子は?」「子ども?」「腹の子はどうする?」「おっおなかに子どもがいる?」后は子供を宿していることを知らなかった。「おっお願いです!私たちは確かにみてしまいました。けれども子どもは見ていません。子どもだけは助けてくださいませ!」必死に頼んだ。荒地の魔女の手がゆるんだ。「確かに子は見てはおらぬ。われうぬの子の言葉に従うを定めた」后は死んだ。

「オギャー」どこかの国の大臣に男の子が生まれた。
未来に恐ろしい運命が待ち受けているとも知らずに…
「オギャー」どこかの国に王子が誕生した。
未来に恐ろしい運命が待ち受けているとも知らずに… 

「わー」剣を使っての喧嘩だった。ある国の誠実と誉れの高い大臣の息子とその仲間たちだった。いつも暴力ざたを起こしていた。「やれやれあいつの暴れん坊ぶりには参るな」国の大臣の言葉だった。「将来が心配だ…」国の平和を案じる年老いた大臣が言った。その言葉を聞いた少年…
年老いた大臣が死んだ。夜中に誰かに襲われた。少年がやったといううわさが流れた。
少年の父である大臣が死んだ。あまりに無法な息子を厳しくしかりつけた、その夜だった。少年は青年になりかけていた。父の後を継ぎ大臣となった若き青年は、その傍若無人ぶりで恐れられた。しかし誠意ある父大臣を慕うものは多く、頭もよく戦場で負け知らずの青年大臣に逆らえるものはいなくなった。やがて青年は国の権力を欲しがるようになった。
「オレは国を手に入れてみせる。王を殺し、王の娘と結婚すればいい」「王の娘を手に入れる。そのためには許婚を殺す」王女には許婚がいた。聞いていたのは一人の女だった。数日後、王女の許婚は王の使いと名乗るものに呼び出された。そして誰もいないところで矢によって射殺された。その後、青年に逆らうものは次々と数知れず死んだ。
王は娘との婚姻を求められ苦悩した。返事をためらい続けていたが死んだ。毒を盛られた。国の実力者としての地位を築いた青年は周辺の国々と戦争を繰り返した。負けたことがなかった。しかしある小国との戦で敗れた。若き王子との戦いだった。
「くそっなぜだ!あんな小国、踏み潰せたはずだ!!」「おい、魔女!あの国を潰す方法を教えろ!」魔女と呼ばれたのは“荒地の魔女”だった。「かの地にいる国を継ぐ力持つものあれり。そのもの亡き者とするがよい」青年はにやりと笑った。
小国のものたちは戦から解放され平和を喜んだ。しかし青年は奇襲を仕掛けた。そして小国の王と后,民は滅ぼされ、王女とその弟は逃げた。その道の先に女が立っていた。はっとした王女と弟。女は二人を見ると「女は逃げろ。男はここに残れ。二人ともに逃げればわれあやつにともに伝えねばならぬ」二人はいわれたとおりにした。
馬に乗った青年とその配下が現れた。そして「逃げたものはおるか」「おる」「どっちに行った」「あっちだ」「よし」待て!そのもの小国とはいえ王の娘なり。ただ殺せ」「よかろう」ドドド馬が走り行った。「キャー」「わっははははは」その声を聞くと魔女は悲しげな眼差しで男を見ると、すぐ目をそらし「なぜ。なにゆえ、殺すに留めぬ…いつからあのような…」男の目に魔女への憎悪があった。

魔女は男に「去れ。すぐに立ち去れ」と言った。男は立ち去った。
戻ってきた青年の目には征服の快楽が浮かび、その服には若い王女の体を力ずくで奪い殺した血の痕があった。
時が流れた。
青年は魔女の力を用いて一国の征服者としてのし上がった。勢力は拡大し誰の逆らうことのなきまでになった。
しかし小国の王子だけはいくら探しても捕らえることができなかった。
あるとき城の外に出た魔女は「我を殺すはたやすき。人間に用いるのと等しきをすればよい。毒を盛るも矢を射るも、うぬが今、柄に手を当てている剣を用いるも等しきこと。さりながら、我蘇えるとき我の身に傷を与えし者、己が身に我に与えたと等しき傷を受けるなり。我を殺さば己が身に等しき死が訪れる」と言った。その言葉に柄にかけた手がぎょっとしたのは小国の王子だった。
王子は魔女を殺そうと機会を狙っていた。そして今その機会をつかんだ。しかし魔女の言葉が響いたのは殺すのをためらったときだった。永きときの中、魔女の命を狙ったものは数少なくなかった。しかし魔女は一時姿は消したもののやがてまた現れ、どのものも魔女の復活とともに命を落とした。そのことを思ってためらった。

王子は覚悟を決め、魔女の前に現れた。「魔女よ、お前を殺せば己が命を失うは聞き知っている。しかし何ゆえ、やつに力を与える」「おれはやつに力を与えるお前を滅ぼすを考えた」「魔女よ、おれを殺さば殺せ」「われは殺すはできぬ。生命(いのち)を絶つのみ」「生命を絶つと殺すとどう違う(たがう)?」「殺すは目覚める。生命を絶つは目覚めぬ」「わからん」そのとき王の手の者たちが男に気づいて追ってきた。
「あのものの居所がわかるのか!」「行くはできる」「ならば奴をここへ連れてこい。生かしてだ!」魔女はすぐに動かなかった。「王よ。言葉を求める。あやつの命、王の力も配下の者の手もわれの力を用いても殺すことなきこと、言葉を求める」「なにー!」「言葉を求める!!」
魔女の迫力に王は「わかった」と言った。「王の言葉受け止めた。時かかるともあのもの連れて参る」魔女は出て行った。

各国をさすらっていた元小国の王子の元に魔女が現れた。魔女は「うぬを王が元に連れて行くを求められた」「俺を捕らえるとでもいうのか?やつに殺されるくらいなら貴様を殺して自ら死ぬ」「殺させはせぬ。うぬを死なすもさせぬ。あやつにうぬを殺さぬとの言葉を受けた」「信用できるか!貴様はやつの手下だ」「われは何人の支配も受けてはおらぬ。だがあやつとうぬの言葉を満たすはやる」「ならばやつを苦しめろ!自分のしてきたことを思い知らせてやるくらいの苦しみをやつに与えろ!!」「われうぬが言葉満たすであろう」「ならば今すぐやれ!」「われはあやつの言葉を先に受けた。ゆえにうぬの言葉を満たすはあやつの言葉を満たした後だ」「やつの元に行くなどと思うなよ」「われはあやつの言葉にそむくはできぬ。あやつの言葉満たすのみ」二人の奇妙なさすらい旅が始まった。魔女は男の後ろからただ黙ってついてくるだけだった。

長い日々さすらい続けた。やがて男は魔女への憎しみから心が変わっているのを感じた。男は魔女が何も食べないのを不思議に思った。「食わんのか?」「われ、何人(なんぴと)の命殺すはできぬ。与えらるるを受けるはできる」「…」ある日男は取った魚を焼いたものの余りを一つ魔女に与え「食え」と言った。魔女は木の枝に差して焼かれた魚を丸呑みした。それから男は食べ物を魔女に与えた。あるときは捕らえた動物、ある時は凍死した鳥。またある時はわずかな木の実や草。それらを分け与えた。魔女は全て丸呑みした。
旅は命がけのときもあった。動物に追われた事もあった。激しい吹雪の中で死の恐怖にさらされたこともあった。暴風雨の中海を渡ることもあった。
やがて男は思った。「やつのところへ行こう…」男は魔女に言った。「連れて行ってくれ」魔女は男の前に立ち道を示した。男は王の城へ行った。
王は捕らえられ、しばられた男を見るとあざ笑った。「どうだ愚か者。わしの力を思い知れ」「お前の力などではない。貴様は魔女の力を借りただけだ」王はカッとなった。「殺せ!やつを殺せ」しかし配下たちの剣は通用しなかった。槍も矢も届かなかった。王は怒り剣を持って男を殺そうとした。しかし王の前に魔女が立ちはだかった。「王よ。われうぬが言葉、預かりえたり。うぬにこのもの殺すことゆるさじ」王は魔女に誓ったことを悔しがった。しかし魔女に与えた言葉は覆すことはできなかった。
王は男を傷つけその身を見るも耐えぬものとした。男は見るも聞くもしゃべるもできず、歩くも持つも出来ぬ身となった。男は苦痛にうめきながら耐えた。そして長き時閉じ込められた。魔女は時折男の元に行き王のことを伝えた。そしてやがて飢えに苦しむ男の『なにか食べ物をくれ…』という求めに男が与えた魚の丸焼きを口から与えた。魚は焼かれたときの身から湯気が出るまま男の口に入った。男が求めたとき魔女は男が与えた食べ物や飲み物を口から与えた。
男は『なぜおれを生かしておく?』と聞いた。魔女は見せた。

“「お願いです。助けてください」「(わたくし)どもの国を守ってください」王子と王子の后は言った。「我の姿見ることゆるさじ。振り返ることなかれ」ほっとした王子と后は歩き出した。しかしそのとき一陣の風が起こり、風をよけた二人は後ろを向いてしまった。そして…“荒地の魔女”の本当の姿を見てしまった。「見てはならぬと申したのになぜ見た!!」「みっ見ていません。何も見えなかった…」「ゆえにうぬらは見たなり!我の真の姿はなかりけり!!」「そっそんな…」「我の真の姿を見た者はその生命(いのち)絶つのみ」「ギャー」王子は死んだ。后は真っ青になった。「哀れとは思うが定めなり。我にも変えるすべなかりけり」「なにか言うことはあるか。子は?」「子ども?」「腹の子はどうする?」「おっおなかに子どもがいる?」后は子供を宿していることを知らなかった。「お願いです!私たちは確かにみてしまいました。けれども子どもは見ていません。子どもだけは助けてくださいませ!」必死に頼んだ。魔女の手がゆるんだ。「確かに子は見てはおらぬ。われうぬの子の言葉に従うを定めた」后は死んだ。” 
「われは后の腹の子の言葉に従う」『やつだろう?それがおれとどう繋がる』「后の子は一つではなかった」『なに?』
「オギャー」どこかの国の大臣に男の子が生まれた。
「オギャー」どこかの国に王子が誕生した。
「この者たちともに后の子なり」『馬鹿な。おれはやつと何の関係もない。姉はお前によってやつらに犯され殺された』「うぬとあやつを共に一つの者のもとに産ませるをわれは恐れた」『恐れた?なぜ』「あやつとうぬは互いを憎む。ゆえにわれうぬとあやつ共に言葉を受けるができぬ」『やつとおれ同時に二人の言うことを満たすができない…つまりやつが先に言えばやつの言うことをやらねばならないということか…』「そうだ」『…やつを殺せ』「できぬ。われ殺すはできぬ。他の者に殺すをさせるもできぬ。あやつはわれにそれをさせぬも言った。さりながらうぬはあやつを苦しめるを求めた」「われ、あやつを見るに耐えぬ…」『…』魔女の目に王女を襲った若き王の姿に見せた悲しみがあった。

「魔女よ」王が言った。「おれは死にたくない。おれを不死の身にしろ」「叶わぬ」「お前にもできぬことがあるというのか」「不死の身にするはできぬ。さりながら…」「他の方法ならあるというのか」「生まれでる事なら叶う」「生まれ出るとはなんだ」「死した後、この世に生まれ出でることぞ」「おれとしてか」「己を記憶するはできぬ。されど体に覚えるはできるであろう」「死んだらすぐ蘇るということか」「いつのときかは知らぬ。生まれ出るが叶うとしかいえぬ。さりながら…」「なんだ」もっとも残酷なすべだ。われとてこのすべ伝えるは忍びがたき」「教えろ」「…」「教えろ」魔女の伝えたるは…

王の寿命が近付いたころ、男は魔女に『俺はなにを言えばいい』「お前の時求むるを言え。われうぬが言葉満たすであろう」男の中に麗しい恋人の姿が映った。失われた愛しき人と過ごした安らかな日々…『愛する人と平和な家庭を築きたい。笑いの絶えない温かい家庭…子どももいる…。働いている…豊かな畑を耕している。周りの人々も幸せそうな笑顔をしている…』男は死んだ。
王の死後、王の子が王となるための戴冠式が行われることとなった。その戴冠式の日、王に反逆した者たちが襲ってきた。王子は「魔女!こいつ等を倒せ」と言った。しかし魔女は動かなかった。「なにをしている魔女!」「我は王よりうぬが王となりし時その言葉に従えと言われた。うぬはまだ王ならず。われうぬの言葉従うなかりけり」王子は殺され、魔女は去った。その国は今はどこにあったのかもわからぬもの。

時が流れた。畑を耕す若き男の元に一人の女が現れた。女は「来い」と言った。男はついて行った。行った先は別の村の修道院だった。その修道院には“聖女”と呼ばれる修道女がいた。女は男を連れ修道院の中に入っていった。そして聖堂にいる修道女の姿を見せた。その修道女は“聖女”と呼ばれるものだった。しかし… おぉ、神よ。何ゆえ(わたくし)はこのようなむごたらしい夢を見続けなければならないのでしょうか?(わたくし)はどのような罪を犯したのでしょうか?おぉ、神よ。神よ男は思いもかけない修道女の姿に戸惑った。「こ…これは…」「うぬが求めた」「なに?」“ならばやつを苦しめろ!自分のしてきたことを思い知らせてやるくらいの苦しみをやつに与えろ!!”

「われ、うぬが言葉満たしたなり」男がはっとしたとき、畑には誰もいなかった…2009.1.3(SAT)

刑罰
女 母親 子ども 店員

スーパーで買い物をしている親子連れがいた。男の子は店の中を走り回ったり、商品をかってにいじくったりしていた。母親は子供を注意しようともしなかった。
子供がジュース売り場で一人でふざけて、ジュースのビンを数本落として割ってしまった。お店の人が飛んで来てそばにいた女性に「お客様、困ります。商品をお買い上げいただきます」といった。女性は「は~?」と不審な顔をした。そこへ母親がやってきて「あら~、ジュース割っちゃったの?」「ちょっとーあんたそばにいたんなら、うちの子がジュースひっくり返さないように見張っててよ。お洋服汚してたらどうしてくれるのよ。気が利かない人ねぇ」母親は女に向かって言った。店の人はそばにいた女性が母親でなかったことに気付いた。女性は母親に「私の子じゃないわ」と言った。だが子供は母親の影から女性に「くそババァ」と言った。母親はその言葉に少しあざ笑った。女性は険しい目つきで子供をにらむともう一度言ってごらん!しゃべれなくしてやる!!」と言った。母親は「おぉーこわ~」とざけた。子供は調子に乗って「くそババァ」といった。店の人たちもあざ笑った。すると「ウッくっけ…けとたんに子供の口はねじりあがり変形した。周りの者たちは仰天した。母親はあわてた。しかし女性は既に店の外に出ていた。

子供の口は治らなかった。医者にもどうすることもできなかった。子どもは物を飲み食いすることはできた。しかししゃべることができなかった。
母親は半狂乱で女性を捜し求めた。そしてやっとあの店で出会った。母親は女性に許してくれと泣きついた。
女性は子どもを連れてきて、子どもの目の前で自分に土下座をして許しを請えば口を元に戻そうといった。母親は悩んだ。子どもの口のために自分が土下座などと…
女性は「嫌なら去るだけだ」と言って店を出て行こうとした。「まっ待ってください。つっ連れてきます。すぐ連れてきます」母親は大慌てで土砂降りの中家まで駆けて、子どもをつれてきた。そして子どもの目の前で女性に土下座をして「許してください。私が悪かった。子どもの口を元に戻してください」と泣きながら訴えた。ふと見ると女性はいなかった。子どもの口は元に戻っていた。

女子高生
女子高生がいた。成績もよく周りからの評判もよかった。しかし…
ある日、河岸にいた女性を仲間たちと取り囲んだ。「よー、金だしな」頬に二枚のかみそりを突きつけた。後の3人はせせら笑った。
女性は動じる様子もなく「やだね。あんたたちなんかにやる金はない」と言った。「うるせーんだよー」女子高生は凄み「とっとと金を出しな」と言うと女の頬を切った。血が流れた。女は「あんたたちにこの痛み、あじ合わせてやるよ」頬に手を当て言った。すると女子高生はその手をかみそりで切った。
とたんに女子高生はすさまじい痛みに全身が襲われ意識を失った。気がついた時病院にいた。包帯が頭に巻かれていた。両親は何も言わなかった。だがその顔からただ事ではない何かがあったことがわかった。警察が来た。そして女子高生に「仲間に切りつけた」といった。女子高生はわけがわからず、自分が被害者だと言った。しかし仲間の三人がそれぞれ体に刺青のようにかみそりで字を切り刻まれていたといわれた。
一人は背中に「バカ」一人は胸に「売女(ばいた)」一人は「ぬすっ人女」と腹に切り刻まれていた。そして女子高生の額には「キチガイ」と刻まれていた。女子高生は女に襲われ傷つけられたと主張したが、後の3人はカツアゲのことも女性を傷つけたことも話した。しかし突然突風にでも出会ったような感じがしてそのまま意識を失ったといった。警察の調べで現場に4人の血以外ないこともかみそりに残された指紋が女子高生のものであることも確認された。退院後、3人は傷が体のため服を着れば目にはつかなかったが、女子高生は額のため目に付いた。髪で隠せはしたが、気にして家にこもってしまった。傷が癒え親や周囲の人たちは「見えない」と言ったが女子高生には自分の額に生々しく刻まれた「キチガイ」が見えた。そして苦しんだ。家族や友人の言葉を信じなかった。

あるとき誰もいないはずの部屋にあの女がいた。女は女子高生に「後悔せよ」と言った。その言葉に女子高生は自分がいい気になってやってきたことを省みた。そして悔やんだ。自分のしてきたことを恥じた。気がつくと寝ていた。起きて鏡を見ると額の傷は跡形もなく消えていた。2009.2.17(TUE)

三つ角
「三つ角」と呼ばれる怪物がいた。洞窟に住んでいた。低級悪魔とも呼べる連中の一匹だったけど私的には怪物の方が合う。この三つ角というのはその名の通り、角が三本あって二本はおでこから生え、外側に弧を描く様に湾曲し先端は真っ直ぐ伸びた長いものだった。三本目はあまり長くなく太く下あごから顔の前に突き出ていた。三つ角は陰険で残忍だった。低級悪魔というのは大体性質が悪いのが普通だが、それでも捕まった人間が必死に助けを求めれば中には命を取らないものもいた。そして悪魔といえども約束は守る。殺さないと約束すればその相手の命は取らない。ところがこの三つ角は捕まった人間が必死に助けを求めると「あぁ、いいだろう。殺さん」と言ってさりげなく洞窟の出口を指す。命乞いをした人たちは助かったと思い喜んで出口に向かう。だが…一歩出口から出れば三つ角は後からやりのようなものを投げ刺し殺す。「そっそんな…助けるって言ったのに…」「あぁ、だから中では殺さんかったさ。だが外に出ても殺さんと言った覚えはない」「そんな」バタン。この繰り返しだった。ある時は、子どもを抱いた母親が必死に「子どもだけはお助けください」「あぁよかろう」そういうと母親の腕から子どもを取り上げ岩壁に投げつけた。「きゃー、、殺さないって言ったのに」「殺してはおらんさ。死ぬのは勝手さ」「そんな」またある時は数人の人たちが捕まった。命乞いをする人たちに「洞窟の中にいれば殺さん。だが外へ出れば知らん」人々はほっとした。だが洞窟の中には人間の食べられるものなど何もない。あるのはいつ殺されたとも分からない累々たる人の骸骨のみ。水もない。人々は飢えた。そしてある時我慢しきれなくなった一人がとうとう逃げ出した。すると洞窟を一歩出たとたん槍で刺し殺された。それを見てみな怯えるのみ。しかし水も食べ物もない中、再び逃げ出した人がいた。そして殺された。しかし飢えに狂った人々はその死体が洞窟から僅か一歩のところにあるのを見て貪りついた。そして人の肉を喰らいその血をすすった。いつの間にか洞窟から出ていた。やがて飢えが治まった人々ははっと気付いた。自分たちが人の肉を食らったことを…愕然とする人々…その人々に三つ角は「お前たちは人の肉を喰らい血をすすった。おれたちと変りはない」「人間どもはお前たちを見れば逃げ惑うだろう。お前たちは逃げ惑う人間どもを襲いその肉に喰らいつく」「さぁ行くがいい。やるがいい」呆然としたまま人里へと向かう人々。そして人里で人を見たとたん襲い掛かり貪りついた…人々が悲鳴を上げ逃げ惑う声が洞窟にかすかに聞こえた…それを聞き無気味に笑う三つ角…

やがて三つ角の住む辺りには人を含め生き物は全ていなくなった。その後、ある時三つ角は足音が聞こえてきた。そして洞窟の入口に人影が立った。顔は分からなかった。その人影は「この地の主は誰ぞ」といった。三つ角は返事をしなかった。再び同じ声が響いた。三つ角は隠れた。人影は洞窟の中に入ってきた。そして「この地はわれのものとする」と言った。三つ角は出て行くと「誰だ貴様は」「われは求むるに応ずるもの」「この地はわれのものとせんがために戦う」三つ角は考えた。“人間ごときならば”「いでよ」そう言うと人影は出口にうしろずさった。“チッ”三つ角は口惜しんだ。三つ角は人の後ろからでないと槍が投げられなかった。顔が向いていると槍を持つ腕が萎えて投げられなかった。そして出口で人影は横向きになると「共にいでよ」と言った。三つ角はまたくやしんだ。洞窟の出口の上には大きな岩石がいくつも置かれていてそれで人を殺す事も洞窟の入口を塞ぐ事も出来た。しかし自分が出れば意味はない。三つ角は人影と共に出た。しかし三つ角は考えた。“人間ごとき。おれの力ならば”確かに三つ角は力もありすばしこかった。そしてその爪は人間を引き裂くのには十分な鋭さだった。だが人影はすばやく逃げ回り三つ角の攻撃をかわし続けた。そして一瞬の隙を突き三つ角を背から岩壁に槍で突き刺した。「貴様、一体何者だ」「われに命はない。求むるもののみ生じるものぞ」そう言うと隠し持っていた剣で三つ角の頭を刎ねた。

場面変って三途の川原
地蔵菩薩が三途の川原を歩いていると一区画で人々の嘆き苦しむ声が聞こえてきた。そこには大勢の人たちがいた。地蔵菩薩は人々の涙を読んだ。(苦しみの理由を知った)地蔵菩薩は小さな少年のようになり嘆き苦しむ人々の中に入って行った。そして一瞬の光となった。
そして上記の三つ角と戦った話へと繋がる。

再び三途の川原
嘆き苦しむ人々のいた一区画には一面白い花が咲きほこり、人々は眠るがごとく横たわり死んでいた。
ギーコ、ギーコ一艘の船が現れ白き衣をまとった小さな子どものような人々が船に乗ると船は再び上流へと戻って行った。

この話はストーリズに入れる物ではないけど、といって神々の実像の悪魔編は天使編が終わってからでないと書けないので他に入れるところがないのでここに入れました。神々の実像の仏教編は入れないことにしましたので。あの子の事でとても苦しんでくれたのが他ならぬ仏教編の存在たちですから。

この話に出てくる三つ角というのが一般的にはなんと呼ばれるものかは分かりません。私も神話等でこのような話を聞いた記憶はありません。でも相当強く出すように押されているということは何かあるようです。もっとも入れるべきという意見と入れるなという意見が分かれましたけど。

私自身正直この話が地蔵菩薩というのは戸惑います。“地蔵菩薩?ありえないだろ”と思ったほどです。なぜならば地蔵菩薩は地獄を歩き回るのが忙しくてとても地上に出る暇などありません。それに地蔵菩薩が戦うなんて…いくら人々のためとはいえ地蔵菩薩が戦うわけがない。
三つ角のことを最初に思い出した時は三つ角がやったことと死んだということだけでした。まぁ、やったことから考えればまともな死に方ではないことは分かりますが。しかしその後思い出したときは三途の川原と人影。しかもその人影が確かに袈裟を着た坊さんのように見えたことでした。
三途の川原といえば他はありません。間違いなく地蔵菩薩ということになります。しかも袈裟を着た坊さんに見えたのではねぇ。地蔵菩薩が戦った。ありえるのかなぁ…

でも面白いのはラファイエルやミカエルが言うにはこれは俺たちの話だ。との事。ラファイエルにいわせると私が載せた少年の後に厭な奴が憑いていてウリエールに戦わせたのがこの話だとの事。つまりウリエールが地蔵菩薩?地蔵菩薩がウリエール?ミカエル言うにはおれが倒した連中のどれかだ。との事。(butどれじゃい、一杯いすぎてどれの事かわからん)試しにルゥに聞いたら“誰だか分からんが、首切り(悪魔や怪物どもを殺す者たちの事)にやられたやつの事だろ”だって。低級悪魔じゃルゥには分からんでしょう。2009.3.21(SAT)

子リスのナイス
ビンゴでリスが出て思い出したんだけど、あの子に色んな物語をしていた中に「子リスのナイス」というのがあった。
森に住むナイスという子リスが仲間たちと森の近くの農場などで人や犬をからかったり助けたりするという物語。
ナイスはよく仲間たちと農場の犬をからかっていた。母リスは心配して「犬をからかうんじゃありません。犬に近付くのは危険よ」としかっていたがナイスは気にすることもなかった。それがある日いつものように仲間とからかいに行くとその前日に農場の周りの木が切り取られていた。
そのことに気付かずナイスたちは犬をからかい追いかけて来た犬を振り切るため木に登ろうとするといつもあるはずの木がない!あわてたナイスたちは大あわてで走り回り逃げ回った。だがでぶっちょ(名前は付けてない)は走るのが苦手。犬に目をつけられ必死中の必死。仲間たちは「走れ!」「にげろ!」「早く!!」と叫ぶしか出来ない。以来犬をからかうのは少しは懲りたらしい。

ある日ナイスたちは農場の家の中に入り込み好き勝手に走り回っていた。しかしその時農場の少女の大切な指輪をなくしてしまった。大切な指輪を探し回る少女を見ているうちにナイスたちも指輪を探し出した。そしてやっと見つけた指輪を農場の近くにみんなでやっとこ運んでナイスは少女の前に姿を現した。少女はリスが大好きでリスを見つけると“遠くへ行くな”という親の声を無視してどこまでも追いかけてくるほどだった。いつもはそれが怖くて少女が追いつけないほどの足ですぐ逃げてしまっていたが今日は違った。
少女が離れすぎないように時々振り返りながら走った。そして指輪の近くまで少女を連れて行った。少女は森の道のすみで大切な指輪を見つけた。2009.4.4(SAT)

くまのぶるるん
やれやれ、ビンゴで動物見て思い出したら次から次と書いてくれだって。
♪くまのぶるるん、いいやつだ。くまのぶるるん、いいやつだ♪いつもそう歌いながら体をぶるるんと震わせるくせのあるくまがいた。山に住んでいるくまのぶるるんだった。自分でいいやつだと歌うくらいだったから本当に気のいいくまで、山で人に出会っても何もせず自分から道を譲るくらいいいやつだった。
くまのぶるるんの巣穴の上ではリスや小鳥たちが自由に遊んでいた。くまのぶるるんはそれをいつもの定位置の木に寄りかかって見ていた。くまのぶるるんの巣穴はその木の下に有った。
ある日くまのぶるるんがいつもの定位置にいない事に気付いたリスたちが巣穴を覗き込んだ。そこにはくまのぶるるんが木の根にいつもと同じ姿で寄りかかって寝むっていた。近づいたリスたち。だがくまのぶるるんは目覚めなかった。いつの間にか山の沢山の仲間たちが集まっていた。そして誰かがそっとくまのぶるるんに近付いた。そしてそっと鼻のにおいを嗅いだ。そして眼をつぶると後ろを振り返った。みなはそっと巣穴を出た。
そして巣穴の上の木の周りでみなはくまのぶるるんがいつもと同じように座っているかのように取り囲み♪くまのぶるるん、いいやつだ。くまのぶるるん、いいやつだ♪とくまのぶるるんの動きでいつまでもいつまでも踊り続けました。2009.4.6(MON)

銀の妖精
ちょっとばかり内容が違うけど、他に入れるところがないからここにする。
23日の夜中頃思い出してイブに入れようかなんていってたんだけど、忘れていてどうしようかって聞いたら入れてくれって言うからタイムオーバーだけど入れる。

銀の妖精と呼ばれる氷の妖精がいた。この銀の妖精はとても冷たく自らの大地のものは少しでも動くものは全て凍りつかせてしまうほどだった。
この銀の妖精は冷たい氷の結晶で出来たトナカイの引くそりに乗っていた。このそりは空を飛んだ。
ある日銀の妖精がいつものように自分の大地を見回り少しでも動くものは全て凍りつかせ続けていた時の事、緑色のマントを羽織り緑色の帽子を被った小さな小人のようなものを見かけた。銀の妖精はその小人のようなものを凍りつかせようと力を使った。だがその緑色の小人のようなものは一時動かなくなったがしばらくするとまた歩き出した。銀の妖精が何度力をふるっても同じだった。銀の妖精は冷たい氷の結晶で出来たトナカイの引くそりを下りその緑色の小人のようなものの前に立った。そして「貴様は何者だ」と言った。「この地の自らの意志で動くものを探している」と緑色の小さな小人のようなものは言った。緑色の帽子で顔は見えなかった。
「この大地に動くものなどいない」と銀の妖精は言った。「ならば探すのみだ」そう緑色の小人のようなものは言った。
だが緑色の小人のようなものは歩くだけ。冷たい氷の結晶のトナカイの引くそりに乗った銀の妖精とは速さが違いすぎた。緑色の小人のようなものが歩き続け銀の妖精の大地の全てを探し回ってもその前に銀の妖精が全てを凍らせ続けてしまっていた。
そして初めに出会ったところへと戻ってきた。「もはやこの大地に自らの意志で動けるものはいない」銀の妖精はあざけるように言った。だが緑の小人のようなものは「そうかな」というと冷たい氷の結晶で出来たトナカイに力をふるった。「なにー!!」驚愕する銀の妖精の目の前で冷たい氷の結晶で出来たトナカイは自らの意志で力強く足を蹴り空を飛んだ。そして血と肉と皮と骨を持った“生命(いのち)”となり大地を駆け回り冷たく凍りついた銀の妖精の大地を蹴り割り続けた。その割れ目から小さな緑の新たな命が目覚めた。

これは「クリスマス童話集」というあの子に持たせた物語集に入っている一遍。他にも「クリスマス物語集」というのもあるんだけどね。

約束
こっちはクリスマス物語集の一遍。
昔あるところにどこからかやってくる不思議な列車があった。どこから来るのかどこへ行くのか誰も知らなかった。
その列車にある時期になると必ず乗ってある街にやってくる一人の男性がいた。そしてその列車がその街の駅に止まっている間中町中の人々と握手をし続けていた。街の人々はその男性が来るのをみな楽しみにしていた。
そんなある年の事、いつものように街にその男性がやってきた。だがある一人の老人は家の中でベッドに横たわったまま街でその男性と握手が出来ないのを残念がっていた。その男性が握手をするのは街の中だけでどこの家にも来る事はなかった。その老人は「私の今年の願いは街の中であの男性と握手をすることです」と心の中で願った。そして眠った。ふと気が付くとその老人はベッドに横たわったまま街の中にいた。そしてそばにはあの男性が少し照れくさそうな笑みを浮かべて立っていた。老人は握手をした。男性は駅へと戻った。するとすぐ直後に列車が発車する音が聞こえてきた。男性は列車が発車するぎりぎりまで老人が来るのを待っていた。それに気づいた時老人は安心して「私の今年の願い事がかなった事を神に感謝いたします」と祈り再び眠った。
翌日老人の様子を見に近所の人たちが家に来た。そして老人が安心した顔をして死んでいるのを見た。その手には小さな氷の結晶が握られていた。融けることなく朝まで…
人々がその手に握られていた氷の結晶を確めた時その氷の結晶はふわりと空に舞い上がり、そのまま天に向かって行った。それを見た神の使い(牧師か神父)は「神に祈りが通じたんだ」といって微笑んだ。

サンタ・クロース
もう一遍。これもクリスマス物語集。
あの子が喜んじゃってね、これ。

皆さんはサンタ・クロースが普段はどんな生活しているか御存知?
実はまーなんと申しましょうか。実に陽気な気のいいじいさんなんですよね。ある村に住んでいて誰かが近くで歌ったり踊ったりするとそれにのって自分も歌いだしたり踊りだしたりする陽気なじい様なの。そしてそれを見聞きするうちに周りの人たちも思わず歌ったり踊ったりしだしちゃうというなんとも陽気で平和な村なんだここは。
そんな陽気なところに住んでいるサンタ・クロースなんだけど、冬のある時期になると村からいなくなっちゃうの。そしてその間は村中の人々が歌も踊りもしないで無口になってしまうの。
でもその間サンタ・クロースは世界中を飛び回って世界中の人々特に子供たちに村の人々が歌ったり踊ったりした楽しい歌や踊りを伝え続け光を与え続けているの。そしてそれが終わればまた村に帰って再び楽しく歌ったり踊ったりして村人達は楽しい日々を送るの。2009.12.26(SAT)


タグ:実話 小説 物語
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。